言葉の誤りを指摘される人=〇〇に洗剤を使う人
今回は適切な表現を提案されたときには、できれば素直に訂正すべしという話。
あなたは表現の誤りを指摘されたことがあるだろうか。私はそれなりにある。その際、反発して訂正を拒否するだろうか。それとも訂正してお礼を言うだろうか。
「たまたま書き間違えた」「みんなが遣っているから間違いとは言えない」様々な思いがあるだろう。
この記事では「環境誤認(受動性誤認)」「接続誤認(能動性誤認)」「感化による誤認」「誤認の複製」などの独自概念を用いて私論を展開する。
あなたは何故間違いに気付かなかったのか。それを理解し、素直に訂正できるきっかけになれば幸いだ。
指摘と反発の攻防
表現の誤りに関するやりとりは料理に喩えてみるとわかりやすい。






洗剤を使うことに批判が相次ぐ







安全性の高さを理由に訂正を拒絶する配信者











この喩えは大げさか
喩えとして大げさで不適当だと思う人がいるかも知れない。身体に入るものと発するものとでは次元が違うと。
確かに大げさなのだろうが、下記の間違いを見聞きした際に不適当と言えない程の衝撃が私にはあった。
誤:犬猿する/嫌煙する
正:敬遠する
誤:ご本尊
正:ご尊顔
誤:考え深い
正:感慨深い
誤:永遠と
正:延々と

誤:必衰です
正:必須です
誤:「真逆(まさか)」の「まぎゃく」用法
正:対極/反対/あべこべ
誤:ふいんき
正:ふんいき
誤:しずらい
正:しづらい
誤:こちらの商品になります
正:こちらの商品です
私と同様「調理・食材に洗剤を使う」行為と同列とは言わないまでも、それに負けないくらいの衝撃を受けた人がきっといたと思う。
常識があるなら「嫌煙する」と何度も書いている人に「それ、嫌煙ではなく敬遠ですよ」と、真心から指摘したくなるのが当然。
それに対し、文脈から意図や主張が伝われば「嫌煙する」と書いても良いじゃないですかと反論するのは常識外れ。
先程の料理動画配信をした女性が



と言っているのと同じなのだ。
こんなお決まりのセリフしか吐けない人に




と言える環境のほうが私は健全だと考える。
誤りの分類
いちいち指摘するのは野暮だ
細かいことばかり気にして神経質な人だね
表現の細部より文脈や意図を汲み取るべき
日本語に厳格になるよりも親しむほうが大切
いちいち目くじらを立てることではない
好ましい表現を提案すると上記のように反論する人がいる。一部に限定すれば賛成だ。その一部とはどんなものか。
それは「非継続性の突発的誤り」だ。
「言葉の間違い/誤り」は大きく二つに分類できる。
- 非継続性の突発的誤り
- 誤認による継続的間違い
二つの分類のうち【1.非継続性の突発的誤り】が先述したとおり、その一部に該当する。よって【1.非継続性の突発的誤り】については反論に賛成というわけだ。
私としては「分類関係なく反発するのもやむなし」という心情が若干ある一方で「誤りは条件問わず指摘し合うのが好ましい」と考えている。
つまり「一部に限定すれば反論に賛成」と思いつつも、やはり好ましい表現を提案されたならば素直に従うべきという立場。ただし「なります敬語」「させていただきます敬語」「お疲れ様」などの強要には従わない。適切ではないからだ。
誤りを指摘するべきかの判断には【公に向けられているか】という基準も関わってくるが、詳しくは後で述べたい。
1.非継続性の突発的誤り
突発的で継続性がない誤りとは何かを示そう。次の四つ。
- うっかり
- 緊張状態
- 興奮状態
- 酩酊状態
[1.うっかり]に集約されるのではないかと感じた人は鋭い。そのとおり。緊張状態/興奮状態/酩酊状態は「うっかり」の元である。

故に[1.うっかり]でまとめても良いのだが、把握のしやすさを考えて四つにした。この四つによって起こる誤りはこれまた四つある。
- 言い間違えた
- 書き間違えた
- 入力を間違えた
- 変換候補を選び間違えた
非継続性の突発的誤りの実例
突発的で継続性がない誤りに該当する例を紹介しよう。
「となりの関くん」という作品での誤り。見ての通り単に「避難」を「非難」と打ち間違えただけ。

こういった入力間違いや誤植はよくある。「わかっり」という誤記もあった。イタリア語みたいだ。

「グーの根」というのもある。

番組内では「防災減災」と言っているのだが、テロップが「防災防災」になっている。これも非継続性の誤り。

You Tubeのサムネイル「エドモンド・バーグ」も単なる入力間違いである。動画内では当然「バーク」と言っている。私も含め「エドマンド」と発する日本人が多いものの「エドモンド」は誤記と言い難い。
これは、モータージャーナリストで「カーグラフィック」の創刊者でもある故・小林彰太郎氏が、ジャガーを「ジャギュアー」と発していたのと同種。
藤井聡氏が「築土構木の思想 第四十五回」という番組内で「ふくだ ありつね」と言っている。藤井聡氏のことを少しでも知っている人なら「非継続性の突発的誤り」だなと気付いたはずだ。
そして「福田恆存(ふくだ つねあり)」のことだなと理解した上で受け流すだろう。対談相手の浜崎洋介氏のように。
もちろん私も「うーん、何となく言い間違えたのかな」くらいの認識だった。
こちらでは当然のごとく「ふくだ つねあり」と言っている。
藤井聡氏が継続的な誤りをしているのは「まぎゃく」や、悪化する事態に対し「可能性」を用いること。「ふくだ ありつね」ではない。
「可能性」を悪化する事態にも用いる癖は、いわゆる保守言論界隈にも蔓延している。
保守を自負し、マスコミの言葉遣いを批判している「チャンネル桜」ですらこの有様。
好ましい表現に訂正した下記画像をチャンネル桜のTwitterアカウントにレスしたが、いつも通り全く反応がない。


故・中川昭一氏の友人である伊藤貫氏の言い間違い。藤井聡氏のケースと同様、これも「非継続性の突発的誤り」だとすぐにわかる事例。因みに「なかがわ いちろう(中川一郎)」は父親の名前。
友人なのに間違えるものか?と思いきや、意外にある。それについては後述する。
最後は私の間違い。印象に残っているのは三つ。
- 父のPCを設定する際、どうしたわけか父の名前の漢字を間違えてしまった。我ながら酷いモウロクぶりである。
- Twitterでの投稿。PCパーツであるマザーボードを、つい「基盤」と書いてしまった。
正確には「変換候補を選び間違えた」のだが。即座に指摘が入り訂正した。
私は普段「基板」と「基盤」を間違えることは絶対にない。
恥ずかしながら事情を告白すると、少々酔っていたこと、慌てていたこと、この二つが重なって「うっかり」をやらかしてしまった。
- 二十代の頃、友人姉妹の名前を言い間違えてバカを晒した。妹を姉の名前で呼んでしまったのだ。やんわり訂正されたものの、恐らくムッとしていたと思う。日頃間違えることはなかったのだが不思議である。
因みに姉から「〇〇さん(彼女)と別に付き合ちゃお」と言われ、妹からは「(二人だけで)~に行かない?」と誘われた。
玲子という子に「緑ちゃん」と言ってしまったこともある。女性の友人の名前を呼び間違えた経験は決して多くないものの、自分の軽薄さを知るには十分な数だ。
顔見知りになって間もない高校生がバレンタインチョコをくれたので「お返したいんだけど名前なんだっけ」と言ってしまったこともある。ribbon時代の永作博美みたいな子だった。




2.誤認による継続的間違い
次に「誤認による継続的間違い」の解説。
- 環境誤認(受動性誤認)
- 接続誤認(能動性誤認)
1.環境誤認(受動性誤認)
そこにいるだけでインプットされる誤認である。
言語感覚形成の初期段階は家族や近所の人からの影響であることは間違いない。
2.接続誤認(能動性誤認)
これは、自らの意思で新たな場所に足を運んだり交友関係が増えることで起こる誤認。
例えばボーイスカウトに入る、バレエ教室に通う、ゲームセンターで仲間ができるなど。自発的な読書も含まれる。
園や学校もどちらかと言えば接続誤認(能動性誤認)に入るだろう。新入時点においては特に。本人の強い意志ではないにせよ、通うという行為そのものは能動である。
近年はこれらに「インターネット」を介したウェブサイトや動画チャンネル、ゲームなどがある。

と不安になるのは母親の常。子供が能動的に家庭とは異質の環境に接続すると、どうしてもそんな不安が拭えなくなってしまう。
とりわけ「インターネット」を介した言語空間は「そんな言葉どこで?」のみならず「接続誤認(能動性誤認)」を増やしやすい場所なのだ。
環境誤認(受動性誤認)と接続誤認(能動性誤認)の連鎖
環境誤認(受動性誤認)と接続誤認(能動性誤認)は連鎖している。接続もまたその人の環境として取り込まれていくのが理由だ。
「まとめブログ」にばかりアクセス(接続)していれば、それが生活の一部になり、ネットスラングが強烈にインプットされる。その界隈で流通している間違った語義や用法も吸収してしまう。
そんな人が、家庭や学校に持ち込めばそれが環境になる。そして、誤認が強化されるのだ。
誤認の仕組み
次に「誤認による継続的間違い」の実際を考えてみよう。五つに分けてみた。
- 視覚による誤認
- 聴覚による誤認
- 視聴覚による誤認
- 感化による誤認
- 誤認の複製
このように「誤認による継続的間違い」は視聴覚の段階で発生する。つまり、読み間違いと聞き間違い。加えて感化による誤りがあり、それが次々とコピーされていく。
1.視覚による誤認
誤:アボガド
正:アボカド
誤:オーストラリア
正:オーストリア
誤:フリーガン(freegan)
正:フーリガン(hooligan)
誤:シンガポールスリリング
正:シンガポールスリング
誤:マメリッコ
正:マリメッコ(marimekko)
誤:バレンシア(Valencia)
正:バレンシアガ(BALENCIAGA)

誤:リストラップ
正:リストストラップ
誤:ラブリングハート
正:ランブリングハート
誤:祝う
正:呪う


誤:うんこ
正:うこん

誤:ケトル(kettle)
正:ケルト(celt/kelt)

誤:パマーンワ500(poerwman500)
正:パワーマン500(powerman500)

「リストラップ」「リストストラップ」について。共にワークアウトのアイテムとして存在する。
「リストラップ」:手首を保護するための道具
「リストストラップ」:握力を補助するための道具
私は長年「リスト・ストラップ」のことを「リスト・ラップ」と思いこんでいた。
「ランブリングハート」というタイトルの映画がある。いわゆるラブコメディで、強烈な個性はないものの、私はこの映画が好きだ。
ところがずっと「ラブリングハート」だと思いこんでいた。恋愛がテーマだから誤認したのだろう。
「ラブリング」ではなく「ランブリング」だと気付いたのはかなり後。PVを観れば間違えることはまずなかったはずだ。
「祝う」と「呪う」は存外に誤認を起こすのではないだろうか。「じゅもん」が「祝文」になってしまったり「しゅくはい」が「呪杯」になることもなきにしもあらず。
ただこの誤りは「読み」と「手書き」の際にあるもので、電子機器による入力では発生しない。どちらかと言えば【1.非継続性の突発的誤り】に分類される。
「パマーンワ500」というスニーカーをご存知だろうか。
側面に「POERWMAN500」「パマーンワ500」とプリントされている。
「ああ、パワーマン500という英語表記をカタカナにするとき間違えてパマーンワ500にしたんだな」と思った人もいるだろう。
しかし、パワーの英語表記は「POWER」である。このスニーカーの表記をよく見ると「POERW」。もうわけがわからない状態。

「オーストリア」と「オーストラリア」は相互に誤認しやすい典型例。
2.聴覚による誤認
誤:グッツ
正:グッズ(goods)
誤:いちよう
正:いちおう(一応)
誤:ふいんき
正:ふんいき(雰囲気)
誤:ゆいつ
正:ゆいいつ(唯一)
誤:たいく
正:たいいく(体育)
誤:台風一家
正:台風一過
誤:じょうおう
正:じょおう(女王)
誤:けんえん(嫌煙/犬猿)
正:けいえん(敬遠)
誤:うる覚え
正:うろ覚え
誤:しずらい
正:しづらい
誤:ゆう
正:いう(言う)
誤:こんにちわ
正:こんにちは
誤:スナックえんどう
正:スナップえんどう
誤:かんがえぶかい(考え深い)
正:かんがいぶかい(感慨深い)
誤:ベルベッド
正:ベルベット(velvet)
誤:ボーリング(boring)
正:ボウリング(bowling)

誤:アードベック
正:アードベッグ(ardbeg)
誤:シュミレーション
正:シミュレーション(simulation)
誤:シロサイ(wide=ワイドをwhite=ホワイトと聞き間違えて定着)
正:広口サイ(wide simum)
誤:バトルシップ(battleship)
正:ボトルシップ(bottleship)

誤:ビビット
正:ビビッド(vivid)

「じょおう」について。「じょうおう」の方が発音しやすい。よって「じょうおう」と言ってしまう場合がままある。私も「じょうおう」と言いがちだ。
「機動戦士Vガンダム」では予告での間違いを訂正していた。「ふりがな」だけでなく「発音」も訂正されている徹底ぶり。
因みに「美少女戦士セーラームーンR」では最初から「じょおう」。


「ミュークルドリーミー」という作品でも「じょおう」。


特殊な例も載せておく。だが、例示としては全く無意味なので非表示状態にしてある。
これは「WORKING!!」シリーズの「種島ぽぷら」というキャラクターの誤認。
主人公「小鳥遊」のことを「たかなし」ではなく「かたなし」と呼んでいる。この間違いは最後まで直らないのだが、そういう設定なので現実にはそぐわない。
ただし「こんがらがる」ことはある。「マイケル・ジャクソン」を「ジャイケル・マクソン」と言ってしまうような。
「わらしべ長者」を記憶できずに「わらべ市長」と言ってしまうアニメキャラもいる。
3.視聴覚による誤認
誤:キューピット
正:キューピッド(cupid)
誤:バトミントン
正:バドミントン(badminton)
誤:ビッグカメラ(BIG CAMERA)
正:ビックカメラ(BIC CAMERA)
誤:ブルガリアンスクワット
正:ルーマニアンデッドリフト

誤:ベット(bet)
正:ベッド(bed)

この項目は視覚と聴覚の両方で誤認しそうな言葉。
「ベット」「バック」は共に言葉として存在する。濁点の有無による誤りは、外国語から日本の発音及びカタカナ表記にする際、起こりやすい。
「かばん」のことを「バック」よりも「バッグ」と表現することが好ましいだろう。「後ろ」を意味する「バック」と区別できる故。外国語の状態で間違えることは少ない。
バック

バッグ

濁点の有無で意味が異なるカタカナ言葉を列挙しておこう。
バック(back) バッグ(bag)
ベット(bet) ベッド(bed)
カード(card) ガード(guard)
ドック(dock) ドッグ(dog)
デット(debt) デッド(dead)
ソート(sort) ソード(sword)
ケージ(cage) ゲージ(gauge)
ペーパー(paper) ベーパー(vapor)
バケット(bucket) バゲット(baguette)
ブレット(bullet) ブレッド(bread)
ハイキング(hiking) バイキング(viking)
キット(kit) キッド(kid)
キッス(kiss) キッズ(kids) ※本来はキッスよりキスのほうが自然
「人間ドック」を「人間ドッグ」にすると「人間犬」になってしまうし「東京キッド」を「東京キット」にすると「東京一式」になってしまい、やはり意味が損なわれてしまう。
「東京キッド(kid)」があったから「東京キッズ(kids)」が生まれた。「東京キッス」だとこれまたおかしくなり「東京口づけ」になってしまう。
「ベット(bet)」「ベッド(bed)」について。「ベット(bet)」は日常馴染みがないが「ベッド(bed)」と区別するほうが好ましい。
「WIXOSS」では「ベット(bet)」が出てくる。
ベーパー(vapor)もあまり馴染みがないかも知れない。
自動車運転免許取得の教則本や講習で「ベーパーロック(vapor lock)」という現象を学ぶ際に出てくる程度だろう。
「バケット(bucket)」「バゲット(baguette)」は混同しやすい。バケットはいわゆる「バケツ」バゲットは「フランスパン」の一種。

パン繋がりで言えば「ブレット(bullet)」と「ブレッド(bread)」の区別もある。ブレットは弾、ブレッドがパン。

「タックスヘイブン」が話題にならなければ、私は「ヘイブン(haven)=避難所・回避地」と「ヘブン(heaven)=天国」の区別もつかなかっただろう。
「heaven」と表記される英語をカタカナにすると「ヘブン」。ところが一文字減った「haven」をカタカナにすると「ヘイブン」と一文字増えてしまう。
「ヘイブン」「ヘブン」は日本人にとって非常に遣い分けが難しい言葉だと思う。
「タックスヘイブン」を「タックスヘブン」と誤認していた人も少なくないだろう。「ヘイブン(haven)=避難所・回避地」「ヘブン(heaven)=天国」
「キューピット」か「キューピッド」かについては難しいところ。「ダックスフント(独語読み)」か「ダックスフンド(英語読み)」も同様。
「ダイヤモンド」か「ダイアモンド」か。これも難しい。

英語では「diamond」なので「ダイアモンド」とカタカナ表記をし、それに準じた発音が自然と思われる。
「ラブライブ!サンシャイン!!」に「黒澤ダイヤ」というキャラクターがいるのだが、ローマ字表記では「KUROSAWA DIA」。ローマ字表記をなぞるなら「黒澤ダイア」と読むほうが素直な感じがする。



曲名では「ダイアモンド」が表記が多い。松田聖子「瞳はダイアモンド」松任谷由実「ダイアモンドダストが消えぬまに」プリンセス プリンセス 「Diamonds (ダイアモンド)」
先述したラブライブの別シリーズ「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」の「中須かすみ」というキャラの曲名は「ダイアモンド」表記。

宝石が好きで関連本をよく読んでいた頃の記憶では「ダイヤモンド」が多かった気がする。とりあえず手元にある本を見ると「ダイヤモンド」表記だった。「別冊25ans ELEGANCE BOOK 20 ジュエリー」という本だ。


特に統一されていないことが伺える。
「たくあん」か「たくわん」か。実に難儀である。



では「ビック」と「ビッグ」はどうだろう。調べてみると「ビック(bic)」には内面的な大きさという意味があるらしい。故に「ビッグ(big)」とかけ離れた言葉ではなさそうだ。
ただし、社名及び店名としてビッグカメラ(BIG CAMERA)と表現するのは誤りである。
「ブルガリア」と「ルーマニア」を間違えることはまずないのだが、ワークアウトの場合は結構多い。
「ブルガリアンスクワット」と「ルーマニアンデッドリフト」というワークアウト種目名があるからだ。馴染みのない人が多い言葉だが誤認の一例として挙げた。
下記動画でも言及されているが「ブラジリアン」と言ってしまう人もいるらしい。
私の知る限り「ブラジリアン」が入ったワークアウト種目はない。
不思議なことに「ヨーグルト」ではまず起こらない誤認だ。「ブルガリアヨーグルト」と「ギリシアヨーグルト」を間違える確率は低い。
ましてや現時点において流通していない「ルーマニアヨーグルト」や「ブラジルヨーグルト」と誤認するケースはまずないだろう。
4.感化による誤認
「こういう遣い方をしているのを見た/聞いた」から自分も真似しよう。これが「感化による誤認」。

正:「やっていることが反対だ/やっていることがアベコベだ」

正:隣がうるさくて壁を叩く行為


正:おしなべて

正:「歪んだ見方/奇異な見方」など

正:「代替(だいたい)」

正:「納金/入金/支払い/購入」など

正:「子供の視点になって/子供の立場になって」

正:「難度が高い/高難度」

正:「新製品です/新製品でございます」

正:「殺人犯を逮捕/殺人犯が逮捕される/殺人犯、逮捕」など
5.誤認の複製
【4.感化による誤認】が伝播すること。これが「誤認の複製」。
最終的には「みんなが用いているから」という基準ができあがる。
「感化」+「複製」=「世間」





「多数者の専制(たすうしゃのせんせい)」とは多数派が少数派の意見を受け入れず価値判断を押し通すこと。
有名か無名か
「言葉の間違い/誤り」に関して二つに分類し解説した。おぼろげながらでもイメージが掴めただろうか。
ここに「有名か無名か」という条件を加えて、表現の誤りを指摘するのは妥当か否かを考えてみよう。
藤井聡氏のような有名人ならば指摘するか受け流すかの判断はたやすい。多数の発言を見聞きすることができるため【1.非継続性の突発的誤り】はすぐにわかる。
他方、私のような無名の場合は判断が難しい。
【非継続性の突発的誤りの実例】の項目で「基盤」と書いてしまった私が即座に指摘されたケースを例示したが、無名の人間の発言を追いかけることはないので非継続性の突発的誤りであるか否かはわかり辛い。
「指摘と反発の攻防」というのは「知名度の低い人」に起こることが多い。


そんな思いからついつい反発したくなるのも理解できる。故に、このように返した人もきっといるだろう。


公に向けられているか
次に「公に向けたものか否か」という条件を加えてみよう。
有名人の場合は、非公開の状況であっても「公共」の要素はついて回る。よって、放送や配信ではなく閉じられた会議の場でも、誤りへの指摘は致し方ない。
一方、無名の場合はどうか。歯切れの悪い言い方だが、閉じられた状況なら受け流しても良いのではないかと思えなくもない。
だが、最初の項目【指摘と反発の攻防】における料理動画配信は「公に向けられている」ため、やはり指摘されてしかるべきである。
言葉遊びの精神は共有されない
あえてやっているというのは伝わりにくいものだ。
【2.聴覚による誤認】の項目で書いた「ゆう」を例にとるとわかりやすいだろうか。
マンガで「いう」や「言う」ではなく「ゆう/ゆー」と表記する場合がある。これは、人物の性格や気分を文字に反映させるために、あえて用いるテクニックだ。


ところが、この「あえて用いる」という前提はすぐさま消え失せ、読者全員に共有されることはない。
「ゆう/ゆー」を本来の用法だと思い込むのは【4.感化による誤認】であり、その人が何らかの表現者になることで【5.誤認の複製】が起こるわけだ。
「ゆう」という表現が目立つようになったのは、本来の用い方だと誤認した人が確実に増えていることを如実に示している。
誤:「真逆(まさか)」の「まぎゃく」用法
正:対極/反対/あべこべ
誤:目線
正:視線/視点
これらも「言葉遊びの精神」は共有されず「あえてやっている」ということが伝わっていない。「は」と「わ」のケースも同様。


かろうじて「言葉遊びの精神」が共有されているのは「空耳アワー」や「ダンス☆マン」のような「外国語がこんな日本語に聞こえる」という前提が強固な場合。
あとは「ザヨゴ」くらいなもの。いわゆる「オンドゥル語」も含まれるだろう。
「パン、茶、宿直」空耳アワー
※タモリの発言「足元をすくわれて」は誤り。「足をすくわれて」が正解。
「“ドーム3コ分”ってどのくらい?」ダンス☆マン
「漢字読めるけど書けない」ダンス☆マン
「バーニングザヨゴ」
【仮面ライダー剣】オンドゥル語集
「世間の誤り」を解消する手立ては「相互指摘」
我々は「常に感化と複製の渦中」にいることを自覚すべきだ。
「感化」と「複製」により「世間」が形作られる。このプロセスに「誤認」が混入すればどうなるか。たちまち世間は誤りに染まる。



この疑問はごもっとも。
いくら「感化と複製の渦中」とはいえ、全ての誤りに染まっているわけではない。

と主張している人が、一方で「テンション上がるわー」と書いたり

と説明している人が「茨城県」のことを「いばらぎけん」と言ったり

と言っている人が「課金できない」とTwitterでつぶやくこともあり得るのだ。
「今年は健康ブームという表現はおかしい」という視点は、身体作りに真面目に向き合ってきた、なかやまきんに君ならではだと思う。
フィットネス界におけるテレビ、SNS、ネット記事などで見る変な&怪しい内容5選です。
なかやまきんに君の指摘に学びを得るかたわら、私は「ら抜き言葉を遣わないほうが好ましい」と何度か提案したことがある。少し意識してくれているようだ。
冒頭の料理動画配信者になぞらえるならば、彼女は「ささがき」が得意かも知れない。ならば「ささがき」のコツを提案できる。
このように、互いに適切な表現を提供し合うことでしか「世間の誤り」が改善する見込みはない。しかし、望み薄だろう。
反発を軽減する提案方法
「相互指摘」や「相互提案」すべきというのはわかった。だが、難しいと思うのが実際だろう。ならばこんな方法を試してみられたい。
相手が反発するのは「恥をかかされた」と感じるからだ。それを防ぐには「自分が先に恥を晒す」こと。劇的な効果はないが幾分マシになるだろう。
具体例はこの記事で解説している。
長々と書いてきたが、適切な表現を提案されたときには、できれば素直に訂正すべしという主張は伝わっただろうか。もしそうなら嬉しい。







なんでイオングループのファッションビルが血まみれになってんのよ


















